芸能

難役を好演する山崎賢人 菅田将暉らライバルの中で存在感

『グッド・ドクター』での演技が光る山崎賢人

 今期、話題沸騰中のドラマに、山崎賢人(23)主演の連続ドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系、毎週木曜夜10時~)がある。山崎が演じる小児科医・新堂湊は、自閉症スペクトラム障がいで、驚異的な記憶力を持つサヴァン症候群。差別や偏見を受けながらも、ピュアな心で小児患者と接し続け、周りも徐々に彼を認めていく様子が描かれている。このドラマで注目すべきは、なんといっても難役を見事に演じる山崎だ。
 
 自閉症スペクトラム障がいの特徴を微細に表現する山崎の演技は、ネットでも「引き込まれる」などと評判だ。イケメン評論家の沖直実さんも「正直、山崎さんがここまで上手にこの役を演じられるとは思っていませんでした」と、その演技力を高く評価する。

「これまでも自閉症の人の役を演じた俳優は何人かいましたが、山崎さんは本当にうまい。障がいのある役を演じるのはすごく難しいのに、視線や顏の動かし方、仕草、話し方、一挙手一投足がわざとらしくなく、こちらが親近感を持てるように絶妙なバランスで演じています。そして、母性本能も感じさせる。『ぼくはおにぎりの三角形の形が好きです』とか、一つ一つのセリフが、彼が言うとすごく切なくてかわいらしくてキュンとしちゃうんです」(沖さん、以下「」同)

 山崎といえば、若手イケメン俳優として注目されてきた。雑誌『ピチレモン』でメンズモデルに抜擢された後、俳優に転身。少女漫画を実写化した映画『L・DK』、『orange』、『ヒロイン失格』、そして桐谷美玲主演の月9ドラマ『好きな人がいること』(フジテレビ系)など多くの作品で女子が憧れる王子様役を演じ、女子のハートをわしづかみにしてきた。日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞後は、大人気漫画の実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』で主演を果たし、それまでのキラキラした王子様役とは一転、連続殺人鬼と死闘を繰り広げる勇ましい高校生役を演じきった。 

 そんな山崎の大きな転機となったのは、昨秋放送された連続ドラマ『陸王』(TBS系)ではないか、と沖さん指摘する。

『陸王』では役所広司(62)演じる老舗足袋製造会社の跡取り息子を演じ、父親に反抗したり、就職活動で悩んだりしながらもモノづくりの楽しさに目覚めていくごく普通の青年役を等身大で表現。その演技力は話題を呼んだ。

「進路に思い悩む表情から、進むべき道を見つけたときの顔まで本当に豊かに演じわけていました。色気がなく、普通の工場の地味な青年でも自然に演じる山崎さんを見て、彼なりに新しいチャレンジをしているんだな、と思いましたね。また、『陸王』には、役所さんや寺尾聰さん(71)を始め名だたる俳優が数多く出演していました。それまでの若手共演者ばかりの環境と違って、相当な緊張感と刺激があったはず。これまでにない役柄と現場の雰囲気が彼を大きく成長させたのでしょう」

 実際、山崎は当時のインタビューで、役所と寺尾との共演について「お二人の間で芝居ができるのは貴重な経験」と語っている。

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