「春のツアーでね、気合が入ってたからか、エネルギーが要ってなぁ。自分でもちょっとやせたなと思うよ…」
苦笑いを浮かべながら、松山千春(62才)は自分の体を労るようにさする。その手は白くやせ細っていた。
8月5日、北海道の札幌市民ホール。この約1時間前、松山は『NHKのど自慢』にゲスト出演していた。会場から盛大な拍手を浴びて登場すると、ひな壇では前かがみで出場者の歌に耳を傾け、手拍子でリズムを刻む。出場者が松山の持ち歌を歌って鐘2つの「不合格」だと、「納得いかないね~!」とステージ中央に飛び出た。
審査を待つ間には『大空と大地の中で』を歌う大サービスだったが、放送直後、視聴者からこんな声が聞こえた。
「ずいぶんやせて…お年を召されたなぁ」
「音程が不安定だし、高音はキツそう。何より声量がだいぶ落ちてる」
「ベストな状態には見えない。体調悪いんじゃないか」
1977年のデビューから約40年、松山はこれまで体のあちこちに病を患ってきた。1991年、自律神経失調症を発症。2008年、全国ツアーの滞在先で体調不良を訴え、緊急入院。不安定狭心症と診断され、ツアー中止を余儀なくされた。
昨年8月、ラジオで自律神経失調症の再発を告白。今年1月にもラジオで、右足をくじいてしまい足の甲や指にしびれや痛みが起こる「腓骨神経麻痺」を患ったと語り、しばらく足を引きずったままステージをこなした。さらに4月には糖尿病のためインスリンを打ったところ低血糖になり、救急搬送されている。
それでも毎年行っている春の全国ツアーは今年もなんとか完走した。ファンがほっと胸をなでおろしたのもつかの間、7月16日に予定していた日比谷野外大音楽堂での『松山千春 ON THE RADIO in 野音』を4日前に急きょ中止。猛暑とゲリラ豪雨のため来場者の身の安全に考慮したのが理由だというが、「また体調が悪化したのでは」と心配する声も少なくなかった。
「いちばん気がかりなのは、毎年7月下旬に発表される秋のツアーの日程が8月に入っても発表されなかったこと。千春さんはデビュー以来ほぼ毎年春秋のツアーを行っていますが、こんなに発表が遅れるなんて今までなかった。深刻な理由があるんじゃないかと心配で…」(ファンの1人)
そして今回の『のど自慢』出演の裏でも、体調不安が囁かれていた。