プロ野球で今季から導入された「申告敬遠」「リクエスト」の2つのルール改正は賛否両論を巻き起こしている。“カミソリシュート”を武器に通算201勝を挙げ、野球殿堂入りを果たした平松政次氏(70)は、「野球の醍醐味が変わってしまう」と危惧する。
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1965年のドラフト制度以降、DH(指名打者)にFA制度と、メジャーに倣ってルールが改正されてきたが、近年は納得いかないものが多い。「申告敬遠」がまさにそうだよね。
球審に敬遠の意思を伝えれば投げなくて済むのだから、ピッチャーにとっては楽でしょう。ただ、たった4球が数々のドラマを生んできたのも事実。元阪神の小林繁が、開幕戦の9回2死一、三塁から敬遠球を暴投してサヨナラ負けした試合(1982年)や、新庄剛志(当時阪神)が敬遠球をサヨナラヒットしたこともあった(1999年)。客席からもヤジが飛び、全力で投げなかった4球が次の打者への投球に影響したものだ。
一昨年から導入されているコリジョン(衝突)ルールだって、野球の醍醐味がなくなってしまうよ。外野からの返球が逸れるのは当たり前。ランナーはキャッチャーをかい潜ってホームにタッチするのが見どころであって、その迫力が半減したと感じるのは私だけではないと思う。