女優・永野芽都(18)がヒロインの楡野鈴愛(すずめ)を演じるNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』は、平均視聴率20%越えを記録する相変わらずの大人気ぶりだ。放送がスタートした時には高校生だった鈴愛も波瀾万丈の青春時代を過ごしたあと、一児の母に。とくに少女漫画家を目指して師匠や仲間たちと切磋琢磨する“東京・胸騒ぎ編”では「漫画を描くって、なんて大変なんだ…」「ひとつの作品を作り上げるにはどれだけの労力がかかっているのか…」と多くの視聴者が鈴愛の奮闘ぶりに釘付けだった。
現実の少女漫画家たちは普段何を考え、どのように作品を生み出しているのだろうか。大企業の社宅に住む気弱な高校生・初(はつみ)が幼馴染らとの恋愛や、社宅内でのさまざまな問題に悩みながらも立ち向かう『ホットギミック』や、英会話学校を舞台に、27才の講師・潤子のお坊さんとの恋愛関係から同僚や生徒たちのさまざまな恋模様が描かれる『5時から9時まで』など次々と大ヒットを飛ばし、日本中の女子たちをキュンキュンさせている人気少女漫画家の相原実貴先生にインタビューを敢行した。
――『ホットギミック』の舞台は社宅の団地。『5時から9時まで』では、恋のお相手として、お坊さんから女装男子まで多種多様なヒーローが登場します。これらの個性的な設定はどのように考えているのでしょうか。
相原:『ホットギミック』では、“現代版ロミオとジュリエット”が描きたかったんです。たまたま、当時住んでいた家の近くに、ある企業のでっかい社宅がありまして。姉が、ママ友から「あそこは最上階から会社内での身分が高い順に住んでいるらしいよ」と聞いてきて、そこから色々考えました。社宅内では、夫の地位で階級が決まる。高校生の幼馴染の恋愛もので、最上階に住む彼と、下の階に住む主人公という、カーストの違う2人だったらどうなるのかと。
―― 一方の『5時から9時まで』は?
相原:「仕事をとるか恋愛をとるか結婚をとるか…全部ってダメなの?」というテーマを描きたかったので、恋もキャリアも叶えたい主人公・潤子のお相手は、縛り付けが一般の男性よりも厳しそうな「お坊さん」にしました(笑い)。新しくて自由な女と、古くて保守的な男との対比を出したかったんです。お坊さんのビジュアルが好きだったというのもありますが(笑い)。
――『ホットギミック』の連載開始は2000年。長きに渡って少女漫画家としてご活躍なさっている相原先生から見て、少女漫画はどう変化していますか?
相原:主人公の年齢が上がっても読者から受け入れられるようになった。『ホットギミック』と“5時9時”ではまさにスタート時の主人公の年齢が10才違うんです。『ホットギミック』では17才の女子高生だったヒロインが、“5時9時”では27才に。27才でも“女の子”として登場することに読者が違和感を持たなくなった。
――個性的な登場人物が受け入れられるようになったというのも変化ですね。