目下オープンキャンパスがあちこちの大学で開催されているが、私立大学入試はこの1、2年急激に難化している。一方で、中学入試では私立大学付属校が大人気となっている。この2つがどうつながっているのか。安田教育研究所代表の安田理氏が解説する。
* * *
教育改革再生実行会議から大学入試改革の構想が公表されたのが2013年である。2021年1月から実施される大学入試からセンター試験がなくなるなど、大きな改革が行われると発表された。が、構想が大胆なだけに、当初から実行は可能なのか、疑問視する専門家も大勢いた。
わが子が当事者となる保護者の中には「どうなるかわからないから、中学から付属校に入れたほうが安全」と判断し、2014年度入試から受験校として付属校を選ぶケースは徐々に増えていた。
それが一段と強まったのは、政府が地方創生政策の一環で、23区内の私立大学の「定員厳格化」を打ち出したことからである。2015年から徐々に定員の1.2倍→1.17倍→1.14倍→1.10倍以上を入学させた場合、経常費補助金を不交付にすると打ち出したのである。
私立大学はどこも中退者が出ることを考え、定員より多く入学させていたから大変である。定員をキチンと守るには合格発表数を絞るしかない。その結果、東京の私立大学入試はとんでもないことになった。
ではどのくらい絞られたのだろうか。「定員厳格化」の動きがまだなかった2015年度入試と今年2018年度入試の合格発表数を比べてみよう(一般入試の数字)。