このため、江西省政府は7月下旬から「土葬ゼロ行動計画」を開始し、とくに農村部では各家庭を廻って、柩を2千元から3千元で買い取る形で村の広場に集めて、ブルドーザーなどの重機で片っ端から破壊している。
しかし、このような荒っぽい手段に住民は強く反発。RFA(電子版)は省政府当局者や警官が運び去ろうとした柩の中に入って、泣き叫んで、撤去させまいとする老人の動画を添えて報道している。RFAの取材に対して、同省政府担当者は「人々が不満なことは重々承知しているが、これは国家の規定なので仕方がない。国家の規定には従わなければならないのだから」と主張している。
しかし、このような江西省当局の暴力的なやり方は中央政府もやり過ぎとみているのか、党機関紙「人民日報」や知識人に読者が多い「光明日報」は社説などで、「たとえ葬儀改革がうまくいったとしても、人々の心が傷つくようならば、政府への信頼は失われ、積もり積もった不満で、社会が不安定になることは必定だ」と警告している。
RFAは2014年に安徽省で同様の葬儀改革が実行された際、改革が実施される前に、早く死のうと、88歳の老人女性が服毒自殺を試み、4回目で死亡した事件を取り上げた。そして、「この事件は中国社会に大きな衝撃を与えた。江西省の葬儀改革も同じ轍を踏んではならない」と指摘したうえで、中国紙「検察日報」の「非人道、非合法な行為はすぐに止めなければならない」との記事を紹介している。