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中国で土葬ゼロ行動計画 火葬強要で警察・住民の衝突も

中国はまだまだ土葬が多い

 中国では遺体を火葬するのはほぼ50%で、土葬をする風習が根強く残っている。とくに、大都市圏以外の地方ではその傾向が強く、中国政府は土地の有効活用などの名目で、地方でも火葬を奨励。中国北西部の江西省では省政府が主導して9月1日までに土葬をゼロにする「土葬ゼロ行動計画」がスタート。

 政府当局や警察などが墓から土葬された柩(ひつぎ)を掘りだして焼却するなどの過激な行動をとったことから、住民らが反発して、警官隊と衝突し負傷者が出るなど、騒動が拡大している。米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 中国では改革・開放政策導入以来、都市化政策が進み、住宅地や工場用地などが不足しつつある。そうしたことから、中国政府は全国的に土葬を止め、火葬に切り替えるように奨励している。

 しかし、江西省では土葬の習慣がいまだに残っており、とくに農村部では「遺体を燃やすと成仏できない」などの昔ながらの伝承も根強い。

 住民は50歳になると、自分の棺桶を買うため貯金を始め、最も高額な柩は6万元(約100万円)もするという。農村部の平均年収は数千元なので、ざっと年収の数年分くらいに相当するほどだ。

 だが、柩は、縦は3mで、高さも1mほどとかなりの大きさだけに墓地の面積もそれだけ広くなり、全体としてかなりの面積を占め、耕作地や住宅の建設地などが狭められることになる。この点、火葬ならば、1人を埋葬するにしても、墓には骨壺を1つだけ埋めれば済み、さらに、数人分の骨壺が収容でき、土地も有効活用できるというわけだ。

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