品川駅は高輪口を出ると、京急の大型複合施設「SHINAGAWA GOOS」が目に飛び込んでくる。江戸時代まで、同地には薩摩藩の下屋敷があった。明治維新で不要になった下屋敷は、明治期に皇室用地となる。また、明治の元老・西郷従道や横浜正金銀行頭取に就任した原六郎、三井物産を興した益田孝、三菱財閥の3代目総帥・岩崎久弥などが邸宅を構えた。品川駅高輪口は、まさに明治を代表する高級住宅街だった。
そうした輝かしい歴史があり、東海道本線の開業から一貫して交通の要衝地とされてきた品川駅だが、なかなか品川エリアには光が当たらなかった。2003年、不遇をかこっていた品川駅に飛躍する機会がもたらされた。東海道新幹線のダイヤが飽和状態に陥り、それを緩和すべく品川に新幹線新駅がつくられたのだ。
新幹線新駅が品川駅につくられたことをきっかけに、品川駅は大きく発展した。さらにリニア中央新幹線の東京駅側の起点が品川付近に決まり、品川駅の拠点化に拍車がかかった。
2020年には、山手線の田町駅-品川駅間に暫定開業する品川新駅によって、駅界隈はさらなる発展が見込まれる。リニアは談合問題で建設工事に遅れが生じているが、今、東京都内では品川駅がもっとも熱い駅であることは間違いない。