競馬の魅力の一つに「血統」があるのは間違いないし、これから競馬をやる人は、老若男女を問わずぜひ血統に興味を持ってほしいと思う。だからといって、三代始祖がなんだとか、リボー系の特徴がどうだとか、ノーザンダンサーのクロスがどうとかまで覚えていく必要はない。
まずは、その馬の父がどういう馬だったかを知っておくだけでいい(できれば母の父も)。そして2歳新馬戦がスタートしたばかりのこの時期は、新たな「父」、つまり新種牡馬が毎週のようにデビューしてきている。少し前にレースで活躍していた馬の子がデビューしてくるのだ。
この時期ならば、だいたい午後最初の5レース、6レースあたりに組まれている。競馬は1日12レースもあるので、後半だけやるという人も多いが、やはり新馬戦に間に合うように行きたいものだ。
それまでのレースに比べてパドック周りが馬主・関係者で賑わっている。わが子が初めての運動会に出るような気持ち。誰もが「来春のクラシック戦線」に参戦することを夢見ている。ファンにしても歴史的名馬になるかもしれない馬の、最初のレースの目撃者となれるわけだ。
だが新馬戦が興味深いのは、なにより来年のクラシック戦線を担う種牡馬がどういう傾向にあるのかを知らしめてくれるからだ。相変わらず、ディープインパクト(種付け料4000万円)やキングカメハメハ(同1200万円)の産駒が強いのか、それともそろそろ世代交代があるのか……。