国際情報

中国でプーさん映画の上映認めず 習主席の尊厳が問題か

土産物のマグに描かれた習氏。どこか似ている?(EPA=時事)

 米娯楽大手ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが制作した人気キャラクター、くまのプーさんの新作映画「プーと大人になった僕(邦題)」の中国での上映が、当局によって拒否されたことが世界各地で大きな話題になっている。大方の見方は「中国当局は明らかに過剰反応」(BBC)というものだが、米映画専門誌は「中国当局が年間の海外映画本数を34本に制限しているためだ」と分析している。

 台湾外交部(外務省に相当)は8月初旬、プーさんと同じくクマをモチーフにした台湾観光局のマスコット・キャラクターの「オーション」が「『いとこのプーさん』の最新作が検閲により中国で上映禁止になったことに落胆している」とツイッターに英語で投稿。続けて「台湾ではすべてのクマが平等に扱われている」と強調し、プーさんの新作映画が台湾全土で上映されていることを紹介した。

 しかし、これについて、米CNNが「台湾政府が北京を嘲笑した」と報道すると、台湾側は「誤解を避けるため削除する」として、翌日夜には慌ててツィートを削除した。

 BBC は中国でプーさん映画の上映が拒否されたことについて、「プーさんは反政府の象徴となった」と報道。英経済紙フィナンシャル・タイムズもツイッターに「このクマは、どんなに頑張っても、中国検閲ににらまれてしまう」とつぶやいて、プーさんと習氏のパロディ画像を投稿した。

 そもそもプーさんと習氏との比較は2013年、習主席が当時のバラク・オバマ米大統領と並んで歩く画像が、プーさんとティガー(作品に登場するトラ)と並び歩く画像と一緒に投稿されたのを皮切りに始まった。2014年には、習主席が日本の安倍晋三首相と握手する写真が、プーさんがイーヨー(作品に登場するロバ)と握手する写真とともに拡散。

 政治的リスクの分析を行う米ニュース専門サイト「グローバル・リスク・インサイツ」は2015年、パレード中に車の屋根を開いて姿を見せる習主席の写真と、プーさんが車に乗っているおもちゃの写真を並べた画像を「中国で最も検閲された写真」と報じて大きな話題を呼んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン