第100回全国高校野球選手権記念大会では、毎試合のように足を痙攣する選手が続出。3日目は、高岡商業の左腕エース・山田龍聖や主将・中村昂央(こうよう)が足をつるなど、4試合で計6選手が救護された。選手に留まらず、6日目には永井秀亮球審も交代を余儀なくされた。
中でも、済美対星稜戦は、猛暑に見舞われた100回大会を象徴するような試合だった。星稜の先発・奥川恭伸が足の痙攣、4番手の竹谷理央も足をつり、継投策に混乱を招いた。
最大6点をリードしながらタイブレーク(延長12回を終えて同点の場合に、無死一、二塁から13回の攻撃を始めるルール)にもつれこんだ理由は、予期せぬアクシデントの続出に他ならない。林和成監督が言う。
「石川大会では足をつる選手は1人もいなかった。正直、あれだけ暑さの中で練習しているのに、甲子園では軽傷を含めて4人の足がつった。県大会と甲子園では消耗の仕方が違う……」
暑さ対策として、複数のタイプの異なる投手を継投する野球は、これから主流になっていくだろう。
だが、こうした潮流に逆行するように、済美のエース・山口直哉は、タイブレークまで184球を投げて完投した。