今夏の甲子園大会で注目を集めた大阪桐蔭の根尾昂(あきら)は、2000年生まれのミレニアム世代の顔といえるだろう。
「4季連続で甲子園に出場し、選抜で2度も優勝できた。正直、高校野球でこれ以上ない経験ができて、怖いぐらいですけど(笑)、最後の夏に優勝できなければすべて意味のないものになってしまうと思います」
根尾は遊撃手として、初戦ではセンターに抜けそうな鋭い当たりを好捕し、一回転して一塁にレーザービーム送球。身のこなしだけで身体能力の高さが分かる。投手として先発した2回戦では制球に苦しんだが、7回にバックスクリーンに弾丸ライナーの一発を放ち自身を援護した。
野手か、投手か。あるいは二刀流か。スカウトの評価も分かれている。かつて根尾は、「どちらに専念するにせよ、自分の意志で決めたい」と話していた。結論を急がせるのは、外野のエゴイズムでしかない。
遊撃手として、根尾以上の評価を受けているのが、報徳学園(兵庫)の小園海斗だ。幅広い守備範囲に加え、初戦で1試合3二塁打(甲子園タイ記録)を放った長打力が魅力。
中学時代、大阪・オール枚方ボーイズで小園を指導した鍛治舎巧氏(現県岐商監督)は、成長期に小園を苦しめた腰痛がプロ入りのネックになることを心配していた。しかし、U-18侍ジャパンに選ばれた1年前に比べて体重が7キロも増え、ケガに強くなり、飛距離アップにもつながった。元女子サッカー選手の妻と整体院を営む小園の父・孝志さんは、初戦の勝利後、こんなことを話してくれた。