「ふふ、そう?(笑い)あの日は収録でハードな歌を歌ったので、そういう気分だったの。“その時の私”を表現するのが服なので、ギャルソンや(山本)耀司さんを着る日もあればヴィンテージを着ることもあります。
ネットではなくお店で手に取って気に入ったものを買う主義だけど、古着屋さんは少し苦手かな。石川、前世は犬だったんじゃないかと思うくらい鼻がきくので(笑い)、香りに敏感なんです」
そう言うと卓上にあったクッキーを手に取り、「いけないと思いつつ、こうやって興味ある物は嗅いじゃうの」と肩をすくめた。さりげない行動だったが、湧き出す好奇心に素直に反応する姿に、過ぎ行く瞬間を思い切り味わう石川流の人生の極意を見た気がした。
■撮影/渡辺達生、取材・文/渡部美也
※週刊ポスト2018年8月31日号