「私ね、123という数字の並びがとても好きなの。個人事務所をスタートしたのが1月23日でしたし、“いち・にの・さーん!”って、響きがとっても軽やかでしょう。そんなふうに前へジャンプしていけたらいいなって」
123枚目のシングル『花が咲いている』をリリースした石川さゆり(60)は、スキップするような弾んだ口調で新譜について語り始めた。昨年歌手生活45周年を越え、新たな歩みを刻んでいる。
「45年にもなると、こんなにたくさんの歌を作って歌わせてもらえるんですね。デビューした頃はオイルショックの前で『塩化ビニールがなくなるので売れないレコードは作りません』と聞かされて、『うわぁ、売れないと私のレコードも出してもらえなくなっちゃう!』とドキドキして(笑い)。
ありがたいことに5年目に『津軽海峡・冬景色』と出会えて、そこから1枚1枚重ねてここまできました。コツコツと、5から10へ飛んだりせずに、1の次は2、2の次は3、4、5……とね」
表題曲はいきものがかりの水野良樹が作詞作曲を手掛ける。演歌とJ-POPの異色コラボにも感じられるが、それもまた1枚1枚重ねてきた中での自然な流れだったのだという。