中国北京市に住む67歳の女性が夫の精子を体外受精し双子を妊娠したが、医師からの「身体的に生むのは極めて危険」との助言を無視して、生むことを決意したという。この夫婦には一人息子がいたが、4年前に34歳で自動車事故により亡くしており、それ以来、この女性は寂しさからうつ状態になっており、「もう一人子供を育てたい」との思いから、対外受精を受けたという。
ネット上では、この女性について「子供が大人に成長するまで、生きているかどうかわからないのに、あまりにも身勝手すぎる」との批判の声の一方、「1人息子を失った女性の悲しみも理解してあげるべきだ」との書き込みも見られる。中国紙「北京日報」が報じている。
この女性、張さんは、「4年前に1人息子を亡くした際、睡眠薬なしでは眠ることができない状態で、寝ても見る夢は息子のことばかりだった」と語っているという。
張さんが1人息子を生んだ時代は、「一人っ子政策」で、それ以上を産むことが極めて難しかったという。「本当は子どもを2人以上ほしかったが、政策を無視できず、その代わり、1人息子を一生懸命になって育てたのだが、交通事故で急死してから、私は精神的に錯乱状態だった」と張さんは同紙のインタビューに答えている。
この寂しさや不安を北京市の市衛生・計画生育委員会の担当者に懸命に訴えたものの、「担当者は『仕方がない』と言うばかりで、全然取り合ってもらえなかった」と張さん。
張さんは夫と話し合って、もう一人子供を育てることを決め、体外受精による出産を思い立った。しかし、年齢的に、中国内の病院ではどこも相手にしてくれないと思い、今年の4月に台湾の病院で受け付けてもらい、体外受精を受けた。すると、検査の結果、6月に双子を妊娠したことが分かったという。