グラビア写真界の第一人者、渡辺達生氏(69)が“人生最期の写真を笑顔で撮ろう”とのコンセプトで立ち上げた『寿影』プロジェクト。渡辺氏は、自然な笑顔を引き出すべく、撮影する人に「一品」を持ってきてもらって、それにまつわるエピソードを聞きながら撮影する。
ピーター(66)が持ってきたのは、相愛する分身、ピーターのプライスドール。
大きな目が愛らしい着せ替え人形のブライスドール。一目惚れして集めた数は88体にも及んだが、数年前からの断捨離で手元に残したのは自身を模して作ったオリジナル・ドールだけ。
「人形は思いが残るというけれど、私の生き様がこもっているようで手放せなかったです」
断捨離では自宅の処分や交友関係まで見直したが、人生の終活ではなく“始まり”と前向き。
「老いても元気に生きるためのガソリンを蓄えている感じ。物理的にも精神的にも余裕が生まれ、一度裸の状態になって、今と違う人生を歩むのも有意義だと思えるきっかけになりました」