◆愛する地元に恩返しがしたい
さくらさんはプライベートな情報を明かさない作家としても知られていた。
「“普通に買い物に行ったり旅行に行きたいから”との理由でした。息子さんにも、小学生になるまで、自分がさくらももこだということは内緒にしていたそうです。まだ53才という若さだったことを今回初めて知った人も多いのではないでしょうか」(スポーツ紙記者)
さくらさんは、人一倍、健康に気を使っていた。20代後半の時は「飲尿健康法」を実践。始める前は、腰が痛かったというが、いつの間にか痛みは消え、肩もこらなくなったという。
ほかにも、毎日25錠のサプリメントをのんだり、ビタミン補給のためミキサーを使わないで、おろし金ですりおろしたにんじん・りんごジュースを飲んだ。寝る時は血行をよくする備長炭入りのマットを使用していたこともある。
「“好きな仕事を続けるためには、いいと思ったことをやって健康でいなくちゃね”とよく話していたんですが…。そのさくらさんが乳がんに侵されてしまったとはなんともいえません」(前出・知人)
闘病を始めた頃から郷土への思いを強くしていた。2007年度から、地元静岡市に「静岡市はいいねぇ。」をキャッチコピーに、さくらさん自身をモチーフにした女の子を描いたオリジナルイラストを提供。職員の名刺やバッグなどに絵を提供したほか、JR静岡駅にはイラストが描かれたフラッグが並び、街を走るバスや母子手帳にもイラストを提供した。
今年8月7日には、『ちびまる子ちゃん』のイラストが入った下水道用マンホール2枚を市に寄贈していた。
「これは昨年、さくらさんが“静岡にもかわいいちびまる子ちゃんのマンホールを”と市側に提案して実現しました。今思えば、命があるうちに“愛する地元へ恩返ししたい”という思いがあったのかもしれません」(前出・出版関係者)
さくらさんが歩んだ人生は、決して色あせない。
※女性セブン2018年9月13日号