世の中には様々な健康法が溢れている。しかし、メディアが「これで長生きできる」と喧伝していても、その中には本当に信じてよいのか疑わしいものもある。
「本当に信頼に足るのは、『実際にどれだけの人が健康になったか』という事実を積み上げた『統計(疫学)データ』です」
そう指摘するのは、『みんなが信じている健康法のウソ』の著者で、東京慈恵会医科大学教授の浦島充佳医師だ。こう続ける。
「集団を対象にして集めたデータを、統計的な手法で分析し『病気になる人』と『病気にならない人』の生活習慣を長期的に比較した研究が近年増えています」
そこで今回、「死亡リスク」に関係する生活習慣の研究データを調査。ビッグデータが示した“健康な人に共通する習慣”を紹介しよう。
運動による長寿法は百花繚乱。だが、ビッグデータは目からウロコの運動法を明らかにする。英ラフバラー大などがイギリス人6万3591人に行なった調査では、週1~2回の運動をする人は、全く運動しない人より死亡率が34%低かった。
とりわけ注目されるのは、毎日運動を行なっても、週に1~2日程度にまとめて行なっても、死亡率にはほとんど相違がみられなかったことだ。週末だけでよいなら、運動を始めるハードルはぐっと低くなる。