「おいヨシノブ! 長嶋さんが悲しんでるぞ」──東京ドームに辛辣なヤジが響く。入院中の長嶋茂雄氏を元気づけるにはほど遠い惨状に、ファンは失望を隠せない。そしてついに高橋由伸監督(43)の責任論に火がついた。8月28日の試合後、山口寿一・オーナーが発した「毎回似たような負け方」という突き放した言い方は、更迭ムードを決定づけた。
それを聞いていた番記者たちは、監督交代を“決定事項”と受け止めた。次期監督の情報収集に一斉に動き出したのだ。しかも、番記者たちは何かに誘導されたかのように揃って「同じ男」を大本命に定めた。それは日本一3回の原辰徳・前監督(60)でもなく、かつて監督候補に挙がった野球解説者の江川卓氏(63)でもない。このチーム状態を見れば、内部昇格も考えられない。
「投手コーチの斎藤雅樹(53)はもともと“高橋監督がコケた時の後任”と見られていましたが、昇格しようものなら選手から総スカンを食いかねません。阿部慎之助(39)は現役続行の意志が強く、現実味がありません」(番記者の1人)
では、誰がポスト由伸なのか──。奇しくも現役時代に高橋監督と同じ「背番号24」を背負った中畑清・前DeNA監督(64)だった。
◆キヨシならゴジラを呼べる
巨人軍監督の就任条件には「巨人の生え抜きで、巨人一筋で過ごしたスター選手」という“掟”があり、過去に例外はない。中畑氏はこの条件をクリアしている。そして巨人が「由伸カラーからの脱却」を目指すのであれば、そのキャラクターも適性が高いという。