安倍晋三・首相の自民党総裁選勝利が揺るがないのであれば、いまこそ、「次の次」をうかがう若手の総理・総裁候補たちが「安倍後の日本」の舵取りについて大いに議論を戦わせ、気を吐く時だろう。そうでなければ、国民は自民党に安心して将来を任せることができない。ところが、この党のプリンスたちは、「物言えば唇寒し」と黙り込んでいる。
安倍首相の“最終任期”が終わる3年後までには実施される次の次の自民党総裁選では主役の顔ぶれがガラリと変わり、世代交代が進む。
「将来の総裁候補は河野太郎外相と小泉進次郎筆頭副幹事長です」
菅義偉・官房長官はさる7月の講演で2人の名前を挙げた。一方、森喜朗・元首相は6月の小渕優子氏のパーティで発破をかけた。
「お姫様の登場をみんな待っている。父の小渕恵三さんに尽くしたおかげで僕は首相になれた。そのお返しもしていないから、せめて優子さんを応援してあげなければと思っている」
党内の実力者たちの関心はすでに次の次に向けられているのだ。名前が挙がった3人はいずれも総裁経験者を父に持つ自民党のプリンス、プリンセスだ。
ところが、3人とも総裁選で誰を支持するのか旗幟鮮明にせず、告示(9月7日)前の「海外逃亡」を計画している。