HV(ハイブリッドカー)の進化版ともいうべきPHEV(またはPHV/プラグインハイブリッドカー)は、外部充電を可能にしたことでガソリンの使用量を最小限に抑え、EV(電気自動車)よりも航続距離を伸ばすことができる“次世代エコカー”として車種も増えてきた。ホンダが7月に発売した「クラリティPHEV」は経済的な利点をアピールしつつ、高級セダンの上質感をとことん追求したという。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がその実力を検証した。
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ホンダから新型モデル、「クラリティPHEV」が登場し、7月20日より発売が開始されています。
ホンダの「クラリティ」といえば、水素を燃料とする燃料電池車「クラリティ・フューエル・セル」がすでに発売されていますが、今度の「クラリティPHEV」は、同じ車体を使ったプラグインハイブリッド版です。
燃料電池ではなく1.5リッター・エンジンとモーター、リチウムイオン電池を搭載します。1つのエンジンと2つのモーターを使う「スポーツ・ハイブリッド I-MMD」というシステムで、モーター駆動を基本とするもの。「アコード」や「ステップワゴン」のハイブリッドにも採用されている方式です。
このハイブリッド方式の特徴は、モーター駆動が基本ですから、非常に静かで振動が少なく快適。さらに「クラリティPHEV」は、最高出力が184馬力/最大トルク315Nmもありますからパワー感も十分。アクセル操作に対するパワーの出かたもダイレクト。静かでありながらも、力強く伸びやかで気持ちのよい加速が味わえます。
ただし、全体の走り味は、スポーティではなくエレガンスなものでした。ほとんどEVのような走りでありながら、航続距離を気にせずに使えるというのが「クラリティPHEV」の最大の魅力と言えるでしょう。
では、ライバルと比べるとどうなのでしょうか?