白馬に乗ったチャールズ・ブロンソンが荒野を駆け、水を頭から浴び、顎を撫でて「う~ん、マンダム」──。昨年90周年を迎えたマンダム社の、1970年代に一世を風靡したCMだ。これに大きく影響されたのが、漫画家・イラストレーターなどとして活躍するみうらじゅん氏と俳優の田口トモロヲ氏。「ブロンソンズ」という“コンビ”を結成したのである。雑誌『Tarzan』にて「ブロンソンズの男気ムキムキ人生相談 ブロンソンに聞け」を連載中の2人がブロンソンへの思いを語り合った。
みうら:男気の権化、ブロンソンを伝えたくて、1994年に「ブロンソンズ」を結成したんだよね。
田口:CMを観た時の衝撃は忘れられない。だってカッコいいのか悪いのかわからない新しい価値観だった。「う~ん、マンダム!!」という台詞も、苦しんでいるのかと思って心配したくらいだし(笑い)。
みうら:それまではやはりアラン・ドロンのようなイケ面がもてはやされていたけど、ブロンソンは「醜男こそいいんだ」と“カッコ良さ”の価値観を変えてくれたんですよ。
田口:「ブロンソン革命」と呼んでいいですよ。CMが始まった時が中学1年。生まれて初めて買った男性化粧品がマンダムだった。