これまでにないデジタル遺品をテーマにした金曜ナイトドラマ『dele(ディーリー)』(毎週金曜23時15分~、テレビ朝日系)が、深夜帯の放送にもかかわらず、ドラマ好きの間で「良質な映画を見ているよう」などと話題になっている。取材を進めると、通常のドラマとの違いが浮き彫りに。最終回を見る前に、これだけは知っておきたい6つのことを教えます!
タイトルの“dele”とは、英語で“削除”を意味する“delete”を略した言葉で、圭司(山田孝之)と、その相棒・祐太郎(菅田将暉)の仕事内容を表している。それは、デジタル遺品の削除をする仕事だ。
デジタル遺品とは、スマホやパソコンなど、デジタル機器に残ったデータのこと。彼らは依頼人の死後、その中の“不都合なデータ”を消している。
このドラマの魅力について、テレビ・ドラマ解説者の木村隆志さんは次のように分析する。
「自分の死後、依頼してまで消してほしいデータとは何か? そこにこの作品の大きな魅力が隠されています。考えてみれば、普段、何気なく使っているパソコンなどのデータには、その人の人生が詰まっている。このドラマでは、デジタル遺品を通して依頼人の人生が丁寧に描き出されていくため、自分の生き方に重ね合わせられることが多く、そんなところが共感を得ているのだと思います」
“見られたくないデータ=恥ずかしいもの”だけではない。データの中には、公開されると残された人が傷つく場合もあり、“人を傷つけたくないために消す”という、人の優しさが伝わるところも、ドラマの魅力だ。
【1】6人の有名作家が脚本を手掛けている
通常のドラマは脚本家が1人で物語を描くことが多いが、このドラマは6人の脚本家がタッグを組んで描いている。そしてそれこそがこの番組の強みと同番組プロデューサーの山田兼司さんは言う。
「デジタル遺品は依頼人によって、残したい物もさまざま。1話完結型なので、作家性の強い複数の脚本家がそれぞれのケースで描くことで、毎回違った視点の物語が展開されます」