日本体操協会強化本部長の塚原千恵子氏と夫で同協会副会長の塚原光男氏、日本ボクシング連盟前会長の山根明氏、さらには日本レスリング協会の栄和人前強化本部長による伊調馨選手へのパワハラ騒動など、今年のアマチュアスポーツ界は“横暴な権力者”の問題で揺れ続けている。
体操やボクシングほど“キャラ”は濃くないにせよ、他の五輪競技でも、監督人事や運営に影響力を持つ「ドン」と「女帝」は存在する。
スケート界ではアルベールビル五輪のスピードスケート銅メダリストで参院議員の橋本聖子氏。
「2006年にスケート連盟の会長に就任して以来、12年にわたってトップの座に君臨し続けています。代表選考や補助金の運用も彼女の意向が物を言う。アマスポーツ界に顔が利く森喜朗氏とも近い。スケート界は“スピードスケート出身”と“フィギュアスケート出身”の2つの系譜がありますが、近年は連盟の理事もスピードスケート寄りの構成になってきている」(スケート連盟関係者)
橋本氏は日本自転車競技連盟の会長も務めているが、この連盟にも“ドン”がいる。競輪選手で同連盟副会長の佐久間重光氏だ。
「自転車競技の選手は日本競輪選手会に所属しており、佐久間氏はその選手会の理事長も兼任している。監督やコーチの人事にも影響力を持ち、日本代表総監督の選出にも“佐久間カラー”が色濃く表われます」(自転車連盟関係者)