放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、話題のドラマ『義母と娘のブルース』に突然、登場したあの店について。
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連続してドラマでクリーンヒットを飛ばし続けているTBS。近年は『カルテット』や『逃げるは恥だが役に立つ』のように、回を重ねるごとに口コミで評判が高まり、視聴率も右肩上がりとなり、結果、社会現象になるというパターンが目立つ。
いよいよ最終章に入る『義母と娘のブルース』もまさにそのパターン。バリバリと音がするような超キャリアウーマンだった亜希子(綾瀬はるか)が子持ちのサラリーマン、良一(竹野内豊)と結婚し、良一の娘、みゆき(横溝菜帆/上白石萌歌)の義母として奮闘する物語だ。
良一の死後、働きには出ず、貯蓄を切り崩しながら、足りない分をデイトレードで稼いでいた亜希子。だが、娘のみゆきに「楽に稼ぐ方法がある」と勘違いさせていたことを知り、廃れていた街のパン屋『ベーカリー麦田』の再生を決意し、これまで培ったキャリアを活かしながら、奮闘している様子が直近の2話では描かれていた。
亜希子はまだ高校3年生のみゆきにも「ブレストしましょう」と提案し、みゆきはクラスメイトのユナ(水谷果穂)や、幼なじみの大樹(井之脇海)らとも協力しあいながら、若者目線のアイディアを提案。それが煮詰まっていた亜希子のブレークスルーになったのだ。
4日オンエアの8話で、みゆきが提案したのは「行くのが楽しくなるような」「そこに行ったら、いいことがあるような」店。
その後のシーンで、みゆきがユナといたのは『PLAZA汐留シオサイト店』。ライバル局の日本テレビのおひざ元にあるバラエティーストアだ。
「ソニプラ」と言ったほうが、通りがいい世代もまだ多いだろう。『PLAZA』は、その昔、銀座のソニービルの地下を旗艦店として、各地で展開していた旧『SONY PLAZA』である。
日本ではまだ珍しかった輸入菓子やキャラクターグッズ、外資系化粧品会社のコスメなどを取りそろえていた“ソニプラ”は、都内の私立高校に通う女子生徒や都心のオフィスに努めるOLたちの“寄り道先”として。若い女性向け情報番組の“ロケ地”としてもよく知られていたものだ。
さて、なぜ唐突に“ぎぼむす”内に『PLAZA』が出てきたのか。TBSラジオに勤める知人のキャリアウーマンが『PLAZA』に出向していたことを知っていた私は、そのなんとも奥ゆかしい“宣伝”に思わず微笑んでしまった。