日本体操協会強化本部長の塚原千恵子氏と夫で同協会副会長の塚原光男氏、日本ボクシング連盟前会長の山根明氏、さらには日本レスリング協会の栄和人前強化本部長による伊調馨選手へのパワハラ騒動など、今年のアマチュアスポーツ界は“横暴な権力者”の問題で揺れ続けている。
五輪競技には、体操やボクシングほど“キャラ”は濃くないにせよ、それぞれ「権力者」と呼べる人物がいる。
政財界の重鎮が力を持った最たる例が、日本クレー射撃協会である。1998年から2014年までモントリオール五輪への出場経験もある麻生太郎財務大臣が会長を務め、協会で長く麻生氏の側近だった高橋義博現会長が後を継いだ。
「麻生さんは自身も競技者だったこともあり、協会への思い入れは強かった。外相時代も理事会や総会に出席して、議長として議事進行まで采配していた。大会の運営や代表選考、補助金の差配も、麻生さんの意向が大きく反映されていました」(協会関係者)
2006年に不透明な会計処理が発覚し、2012年には高橋氏による理事への暴力行為が裁判に発展するなど、協会を巡るトラブルが報じられてきた。
「それでも麻生さんの派閥は強い。今年6月の理事会では、過去の不祥事をものともせず高橋氏が3選された」(スポーツ紙記者)