角福戦争から小泉旋風まで、劇的なドラマが繰り返されてきた自民党総裁選。9月20日に投開票が予定されており、安倍晋三氏と石破茂氏の一騎打ちとなるがOBたちの血も騒ぐ──かと思いきや、テンションは低い。「なぜこんなにつまらんのか」とあきれ顔なのだ。合計238歳の「老人党」幹部の3名、元参議院議員(自民党)の村上正邦氏(86)、元参議院議員(民主党など)の平野貞夫氏(82)、元参議院議員(共産党)の筆坂秀世氏(70)らが、なぜ総裁選がつまらないのかについて語り合った。
村上:前はもっと今の政治に怒りがあったんだけど、最近は総裁選と聞いても、カリカリすら来ないんだよ。興味を失った。自民党員のなかでは安倍支持が80%というけど、そんな高い数字が示すような熱気なんて国民の間にまるで感じないよ。
筆坂:ホントそう。国民の関心はほとんどゼロ。
村上:自民党総裁選というのは、次の日本を背負っていく人を選択する選挙なんだよ。どうしてこうなった。
筆坂:総裁選は自民党にとって活力の源でしたよ。派閥が健在だった時代は、派閥の力を試す場だった。派閥の領袖こそが本来は総裁選を戦う候補のはず。
だけど、今の自民党の派閥トップで総裁狙っているの何人いる? 細田(博之)さんなんてまるっきり狙っていない。あれは今でも実質、森(喜朗)派ですよ。細田派のある議員から聞いたけどね、今でも森さんは派閥の会合にときどき顔を出すんだけど、そのときが一番空気がピーンと張り詰めるんだって。ふだんは緩んでるのに。