「終活」──。2009年に登場したこの言葉は、人生の“終わり”に向けた準備であり、天寿を全うするための助走を意味していた。ところが、この10年で「終活」は変わりつつある。人生の残された時間と向き合うことで、第2の人生を豊かに過ごすきっかけとなっている。それは、著名人も同じ。みのもんた(74)が語った。
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2012年に亡くなった女房は生前から、終活を進めていたようです。だからある程度、片付いてはいたんだけれど、僕の代で処分しなくてはならないモノがまだある。自分もそういう年齢になったんだなぁと思っています。
僕がいろいろモノを残して死ぬと、子や孫の間でもめ事が起こる可能性がありますからね。
処分に一番困るのが、写真、アルバム、手紙類。大量にあるんだけど、市のゴミ置き場に捨てるのも、産業廃棄物として出すのもねえ。だから、家に焼却炉を買っちゃったんですよ。そこで、モクモク煙を出さないように気をつけながら、週に1回、燃やしています。本当は、アルバムなんかは捨てがたいんだよね。だから子供たちが映っている写真はできるだけ本人にあげて、あとは、一度見直して、「さよなら」と。
ラジオ時代の音源は、どうしようもない。僕らの時代はオープンリールだから場所を取るし、粉砕するのにはどうすればいいのかな。こういうのは、自分にとってはいい思い出にはなるけれど、欲しい人なんていないし、残された側は困るでしょう。そういう手間を子供たちにできるだけかけさせたくないんです。