ビジネス

ジーユー試着専門店 実店舗が多い巨大チェーンに必要なのか

ネット通販の波で店舗のショールーム化は進むか

 低価格のカジュアル衣料品を販売するジーユー(GU)が、“試着専門店”(購入はスマホアプリなどを経由して注文)を東京・原宿にオープンさせると発表した。近年、若者を中心に洋服もネットで購入する層が増えているが、果たして実店舗のショールーム化によって消費者の利便性は高まるのか。ファッションジャーナリストの南充浩氏がレポートする。

 * * *
 ジーユーが今年11月にオープンさせると発表した試着専用のショップ。全型商品が揃っていて、店内で触ったり試着したりして気に入った商品をその場からネットで注文し、自宅や最寄り店舗などで受け取る仕組みとなります。

 古くは「クリック&モルタル」と呼ばれ、最近だと「オムニチャネル」と呼ばれる形態ですが、ネット通販に慣れていない人からすると、まだるっこしく、何がすごいのか分からないと感じられると思われますが、最近流行りのネットとリアルの融合した形です。

 目に見えるメリットとしては、たくさん買っても重い荷物を持って帰らなくても良いということぐらいでしょうか。しかし、他方、明日すぐにでも着たいという場合は間に合いませんから、一長一短はあります。

 著者は現時点に限れば、ジーユーにはこのシステムは必要ないと思います。結論から言ってしまえば、今回の出店は将来に向けたテストパターンでしょう。この店舗だけで絶大な効果があるとは考えられませんし、利便性が飛躍的に向上するとも考えられません。中長期的な視点に立った布石だと見るのが適切でしょう。

 そもそも、ネット通販での購入が前提となる「試着専用店」という形態は、ジーユーが開発したものではありません。

 すでに今年5月9日~8月29日まで、ZARAも六本木に期間限定店として試着専用店を出店しています。ではZARAが考え出したアイデアかというとそれも間違いで、元はアメリカ・サンフランシスコに本社を置くネット販売専用ブランド「エバーレーン」が設けたのが最初です。

 では、どうしてネット通販専用ブランドに試着専用店が必要だったのでしょうか。そのメリットとデメリットを考えてみましょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン