中国で最も有名な女優と知られる范冰冰(ファンビンビン)さんが今年6月に突如として姿を消し、いまも消息不明になっていることが米紙「ニューヨーク・タイムズ」や英BBC、ロイター通信、CNNなどで取り上げられ、大きなニュースになっている。日本でもこの件は多数報じられている。
習近平政権が反腐敗運動を展開するなか、范さんは脱税の疑いで当局の取り調べを受けているとの情報も流れている。そんななか、范さんを「グローバル・アンバサダー」や「スポークスウーマン」に起用し「広告塔」として使っている世界的なブランド企業はイメージ低下を危惧するなど、対応に追われているようだ。
范さんは中国や欧米、日中合作の映画に出演していたスター女優で、ハリウッド映画「X-MEN」シリーズにも登場するなど収入もトップ級。2015年のタイム誌では中国で「最も有名な女優」に選ばれており、最近では中国を有力市場とみて、日本のパナソニックやサントリーのほか、世界的な高級ブランド企業のCMにも起用されている。
代表的なブランドとしてはフランスの「ルイ・ヴィトン」が挙げられる。范さんとルイ・ヴィトンとの関係は長く6年前の2012年からアジアにおける同社の最初の「スポークスウ―マン」として起用されている。
さらに、ダイヤモンドなど高級アクセサリーを扱う「デビアス」も昨年、范さんを「グローバル・アンバサダー」に起用。范さんは同社のダイヤモンド製品を付けて今年カンヌ映画祭に参加しており、同社のフランソワ・デラジCEOは「われわれは范さんと長期に及ぶ関係を築くことができて光栄だ」と述べていた。