芸能人や有名人の仕事はテレビに出るばかりではない。テレビには出ていなくても、がっぽり稼いでいる人が実は大勢いる。その収入源のひとつが講演会の講師の仕事だ。意外と知られていない講演会の裏側に迫った。
講師の多くは、講演会の情報サイトに登録して、仕事の依頼を受ける。そうしたサイトは、セミナーを企画する企業や学校などと、講師をマッチングさせる役割を果たしている。ペルソンが運営する「講演依頼.com」はそのひとつ。同社はこのビジネスモデルを日本で初めて作ったという企業で、サイトには実に7500名以上の講師が登録している。
サイトを見ると、テレビでおなじみの芸能人から、顔と名前だけではわからないさまざまな分野の識者が講師としてずらりと並んでいる。講師はサイト側からオファーして登録する場合と講師サイドからの売り込みの2つのパターンがあるという。
「講演依頼.com」を運営するペルソンの営業部・土橋昇平さんはこう語る。
「こちらから声をかける場合は、潜在的なものも含めて確実に需要がある人。主催する企業側から問い合わせが多いジャンルなどはこちらでわかっていますので。著名人からも申し込みが増えています。テレビなどの仕事が減ったので講演活動を始めたいという人もいれば、逆に、所属事務所や本人に問い合わせが多すぎて対応しきれないから登録したい、というケースもあります」
気になる講演料は、まさにピンキリ。1回の講演時間は60分~90分程度だが──。
「10万円前後の人から、高いと300万円を超える人もいます。一般的に知名度の高い著名人になると、40、50万円くらいが一般的ですが、マーケットに応じてこちらから提案した料金か、本人の“言い値”で決まります。開催規模によって講演料が変わったり、ほかの仕事がやりづらくなるなどの理由で講演料を公表していない人も多いですね。しかし、公表するほうが講演会の企画者がすぐに検討でき、スムーズに話が進むため、サイトに表記することをおすすめしています」
1時間ほどで300万円! と言っても講演料がそのまま講師に払われるわけではない。
「弊社の仲介手数料は20~30%です。たとえば100万円の講演料の場合は、講師に70~80万円、弊社の手数料が20~30万円となります。メディアの露出がなくなった著名人も、テレビ出演時よりも講演会で稼いでいる、という人も多いですよ」
誰もが知っている芸能人が人気とは限らない。2015年の下期から6期連続1位で、同社のサイトで殿堂入りも検討しているという超多忙な講師は、意外な人物だった。