安倍晋三首相が自民党総裁選挙で3選を果たした。選挙を牽引した応援団議員たちは論功行賞人事に目の色を変えている。内閣改造は安倍首相がニューヨークの国連総会から帰国後の10月上旬とみられているが、首相はすでに総裁選さなかに勝利後の人事方針を明らかにしている。
「人事は適材適所だ。来年は皇位継承もあるし、G20首脳会合、その先には東京五輪もある。しっかりとした人材を登用したい」
官邸の安倍側近が語る。
「適材適所とは総理が“お友達”を起用する時の常套句。大仕事が山積みの第5次安倍内閣では、総理は個人的に信頼のおける側近で脇を固めるつもりだろう」
この発言でスネに傷持つ安倍側近のスキャンダル元大臣たちは“復権のチャンス”と色めき立った。
派手にアピールしたのが甘利明・元経済再生相だ。大臣時代の2016年、陳情に来た業者から大臣室で自ら50万円の現金を受け取っていたことが発覚し、「秘書のせいにはしたくない」と辞任会見で涙ながらに語った姿はまだ記憶に新しい。
あれから2年、総裁選では“ほとぼりは冷めた”とばかりに安倍合同選対事務総長としてテレビをハシゴし、「安倍首相は了見の狭い男ではない」と御輿担ぎの上手さを見せつけた。