これからテレビ界を引っ張っていくのはこの2組か――。博多華丸・大吉とサンドウィッチマンの躍進に注目が集まっている。2組の共通点から浮かび上がるテレビ界の現状とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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今秋の番組改編発表会が各局で行われ、ほとんどの新番組が明らかになりました。その中で特筆すべきは、博多華丸・大吉とサンドウィッチマンのさらなる躍進(以下、「華大」と「サンド」に略)。
華大は、『突撃!しあわせ買取隊』(テレビ東京系、木曜18時55分、10月11日スタート)でゴールデンタイム初MCを務めることが決定。一方のサンドは、『THE突破ファイル』(日本テレビ系、木曜19時、10月25日スタート)と『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系、金曜19時、スタート日未定)への出演が決定。それぞれレギュラーの一番手として、MCの内村光良さんと坂上忍さんを支えるポジションを任されるようです。
振り返ればこの春も、華大は朝の帯番組『あさイチ』(NHK)の新MCに就任し、サンドもMCを務める『帰れマンデー』(テレビ朝日系)が日曜午後から月曜ゴールデンタイムに昇格。両コンビの勢いが増していることを印象づけていただけに、今秋でさらなる飛躍を遂げるのは間違いないでしょう。
華大の博多華丸さんが48歳、博多大吉さんが47歳、サンドの伊達みきおさんが44歳、富澤たけしさんが44歳と、「全員40代の遅咲き」の両コンビ。その他にも華大とサンドには5つの共通点があり、そこから「視聴者が今のテレビに何を求めているのか」が浮かび上がってきます。
◆「ひと言で笑わせる」スキルとスタンス
1つ目の共通点は、地元愛と、そこに由来する好感度の高さ。
華大は、博多弁を使っているほか、現在でも地元・福岡をめぐるロケ番組に出演し、プロ野球・福岡ソフトバンクホークスを応援。サンドも、地元・宮城に特化したバラエティーに出演しているほか、東日本大震災の支援を継続し、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスを応援しています。
「売れっ子になってなお、地元番組への出演をやめない」という姿勢が、地元の熱狂的な支持を集めるとともに、全国的な好感度もアップ。人情派の彼らが画面に映るだけで温かいムードになるなど、彼らはテレビマンたちにとって「キャスティングの上で最もリスクの少ないタレント」なのです。
2つ目の共通点は、「我を出さない」というスタンス。4人はMCをこなせるほどの人気とスキルを持ちながら、多くの芸人のように「俺が俺が」と大声でしゃべりはじめることは、ほとんどありません。