スウェーデンの首都ストックホルムで、ホテル内のロビーに居座ろうとした中国人観光客の親子3人が警官によってホテルから引きずり出されて、10数キロ先の路上に放置されるという騒動があった。親子はこの模様を撮影した動画を中国のウェブサイト上で公開。中国外務省もスウェーデン政府に公式に抗議しているが、スウェーデン側は「中国人観光客が我が国の法を犯しており、警察の対応に何ら違法性はない」とコメントしている。
米政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ」がストックホルムで観光業に従事しているスウェーデン人女性に取材したところ、彼女は「この10年来、中国人観光客のマナーのひどさや非常識さが、スウェーデンばかりか欧州諸国全体でも問題になっており、今回の騒動も、その延長線上あるのではないか」と指摘している。
親子3人は宿泊予約よりもほぼ1日早い9月2日未明、空港からホテルに到着。ホテルは満室でチェックインできなかった。3人はそのままホテルに居座り、ロビーで一夜を明かそうとした。
このため、ホテルのフロントの係員は「他の客の迷惑になる」などとして、警察に連絡。警察官はごねて座り込み泣き叫ぶなどする親子の両手両足を持って、ホテルの外に引きずり出した。
親子が撮影した動画には、ロビー内で腹ばいになって動こうとしない父親、わざと自分から倒れこみ、女性警官が暴力をふるったかのように演技する息子、さらに「殺人だ」「助けてくれ」と座り込みながら叫び声をあげる母親が映っている。