デビュー45周年。コンサート回数は日本一で、2位以下に大差をつける4300回超。作った曲は570曲以上、著書累計300万部超、返済した借金は35億円…。数字を羅列すると、その凄さが際立つが、「さだまさし」の生き方や考え方に改めて注目が集まっている。著名人たちが彼の素顔について語った書籍『うらさだ』も刊行された。さだの凄さについて、短期集中連載で同書に参画した語り手たちの発言を紹介。第1回は堀江貴文氏。さだまさしは、希代の実業家の目にどう映っているのか。
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2017年の夏のことなんですが、僕が準レギュラーコメンテーターを務める『5時に夢中!』に、さださんがゲストで出演したんです。何回記念だか忘れましたが、スペシャル番組で、放送前に「え? 本当にさだまさし本人が来るの!? あり得ないでしょ」と疑っていたら、本当に来た(笑)。
しかも、めちゃくちゃ気さくで、ノリもメッチャいい。たまに『生さだ』を観てたんですけど、あの気さくなノリが楽屋でもそのまま。「なんで、あんな番組やってんすか?」って聞いたら、「オレもわかんないよ」って気さくに笑わせてくれる。
きっとさださんは、いわゆる大御所芸能人にありがちなヘンなプライドがないんでしょうね。自分が世間からどう見られているかというようなことを過剰に気にしていないんだと思います。プライドが高くて得することなんて、ひとつもありません。プライドが解決してくれる物事もなければ、プライドが高い人が優秀なわけでもない。大事な決断をする時の障害にもなります。
逆に、プライドが低ければ動きやすいし、スピーディに質の良い判断ができます。周囲から親しみを持たれ、愛されます。僕の周りの人間関係を見ていても、本当にそのことを実感します。さださんを見ていると、そういうくだらないプライドを全然感じない。他人の目など気にしていない。だから『5時に夢中!』というローカル番組にも気負わず出てきて、自分から楽しめてしまう。
さださんファンはデビュー当時からの年配の方も多いんですよね? え? スタッフも最初からあまり代わってない? それってすごいことですよね。ずっと愛され、支え続けられてるってことですから。僕も番組でお会いして、すぐにさださんという人間が好きになりました。