「人生100歳時代」「生涯現役」と、長生きを肯定的にとらえるフレーズが市民権を得るようになってきたが、世のジジイたちは、心の中では怒っている。作家・ジェームス三木氏(83)もその一人だ。
「最近の若い連中は略語ばかり使ってけしからん!」──老年世代お決まりの若者批判だと思われている。ただ、ここにきてむしろ、“年寄りには略語を使わないようにすればいいんでしょ”というマニュアル的な対応も増えているという。
「変に気を遣われすぎるのもカチンとくるんだよ」
ジェームス三木氏はそう語る。
「最近私のところに取材にきた若い記者が、『先生はスマートフォンですか、それとも昔からあるボタンが付いた携帯電話ですか』と質問してきた。いやいや“スマホですか? ガラケーですか? で通じるよ”って思ってね」
「コスプレ」「デパ地下」などなど、現代日本語はまさに略語だらけだ。
「もちろん私も、なにかにつけて略語を使う若者文化は好きになれない。しかしだね、その略語の意味を理解できていないわけではない。“全部説明しないとこの人わからないだろうな”というのが見え見えの態度も相手を不快にさせることがあるということに気づくべきだな」
言葉だけではない。体力面についても同じようなことがある。