国内

優等生だった息子が特殊詐欺出し子に 家庭崩壊した父の後悔

特殊詐欺で逮捕されるのはいわゆる不良だけではない

「警察24時」と呼ばれる各テレビ局で放送される警察の活動に密着する人気番組では、粗暴犯や交通違反を追いかけるだけでなく、その時代に流行している犯罪の検挙へ至る道を放送している。視聴者は、どこか別世界の話だと受け取りがちだが、スマホとSNSでネットが身近になったことで、ごく普通の人たちが、いつかテレビで見たのとそっくりの場面に遭遇するケースが増えている。どちらかといえば優等生だったはずの息子が、特殊詐欺に巻き込まれた父親の告白から、日常の隣に潜む犯罪への道への警戒を呼びかける。

 * * *
「まさかという気持ち。タバコを吸ったこともないし、成績だって上位。誘われて軽い気持ちでやったんでしょうけど…。ショックで母親は寝込み、精神的な病気にもなりました。(子供を)あまり縛り付けたくはありませんが…正直それほど悪い家庭ではないと思っていた分、どうしていいかわからないというのが本音です」

 絞り出すような小声で電話インタビューに答えてくれたのは、以前、息子が特殊詐欺事件、いわゆる「オレオレ詐欺」で検挙されたという渡辺勝さん(仮名・40代)だ。息子は現在、都内の通信制高校に通っているが、事件がきっかけで「家族がバラバラになった」と涙声で話す。

 渡辺さんの息子・A君(当時16歳は)、関東某県の私立高校に通う、普通の高校生だった。進学コースに在籍し、運動部には所属せず、毎日夜9時近くまで学校で「特課」と呼ばれる授業を受け、その後に受験予備校に向かうこともあった。家族の仲はいたって普通、毎日曜日は家族そろって近所の焼き肉店や中華料理店でにぎやかに食事を摂った。唯一、息子がぼやいていたのは「お小遣いが足りない」ということ。

 進学コース在籍者はアルバイトが原則禁止で、とにかく受験勉強が最優先された。中学時代の同級生など、地元の友人たちがアルバイトなどをして自由なカネがあるのに対し、息子は月に3000円の小遣いを何とかやりくりしていたのである。

「可能な限り家族が揃う時間を取ろうと努力してきたつもりです。 我が家は大金持ちではありませんし、私立校に通わせていたから、息子も小遣いが足りないとはぼやいても、事情は分かってくれていると思っていました。また、小遣いを上げすぎるのもよくないと考えていました。しかし、私たち親が思っている以上に、息子にとってカネが必要だったということでしょう。良かれと思ってやっていたことが裏目に出たのでしょうか」

 夏休み明けの9月中旬、早朝。渡辺さんが起床し、玄関に新聞を取りに行こうとすると、玄関のガラス越しに黒い人影が無数に見えた。インターホンに応答すると、黒影の正体が刑事であることが分かった。なぜ我が家に? と事態がつかめず、刑事の口から出た言葉を聞いても、やはり何も理解できなかった。

関連記事

トピックス

不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《永野芽郁が見せた涙とファイティングポーズ》「まさか自分が報道されるなんて…」『キャスター』打ち上げではにかみながら誓った“女優継続スピーチ”
NEWSポストセブン
子育てのために一戸建てを購入した小室圭さん
【眞子さん極秘出産&築40年近い中古の一戸建て】小室圭さん、アメリカで約1億円マイホーム購入 「頭金600万円」強気の返済計画、今後の収入アップを確信しているのか
女性セブン
2場所連続の優勝を果たした大の里
《昇進当確》大の里「史上最速綱取り」がかかった5月場所の舞台裏 苦手な相手が続いた「序盤の取組編成」に様々な思惑が交錯
週刊ポスト
カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
公益社団法人「日本駆け込み寺」元事務局長の田中芳秀容疑者がコカインを所持したとして逮捕された(Instagramより)
《6300万円以上の補助金交付》トー横支援「日本駆け込み寺」事務局長がコカイン所持容疑逮捕で“薬物の温床疑惑”が浮上 代表理事が危険視していた「女性との距離」
NEWSポストセブン
有名人の不倫報道のたびに苦しかった記憶が蘇る
《サレ妻の慟哭告白》「夫が同じ団地に住む息子の同級生の母と…」やがて離婚、「息子3人の養育費を減らしてくれと…」そして驚いた元夫の現在の”衝撃姿”
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン
気持ちの変化が仕事への取り組み方にも影響していた小室圭さん
《小室圭さんの献身》出産した眞子さんのために「日本食を扱うネットスーパー」をフル活用「勤務先は福利厚生が充実」で万全フォロー
NEWSポストセブン
5月で就任から1年となる諸沢社長
《日報170件を毎日読んでコメントする》23歳ココイチFC社長が就任1年で起こした会社の変化「採用人数が3倍に」
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン