さらにアント・フィナンシャルは、小規模企業や個人事業主への融資を一瞬で行っている。「3・1・0」というシステムで、スマホのアプリから融資を申し込むと即座にコンピューターが可否を判断し、数分以内に送金される。
融資申請の記入に必要な時間が「3」分、可否を判断する時間が「1」秒、そして審査に携わる人間は「0」人。つまり、融資対象の取引状況や経営状況などの情報を蓄積したビッグデータに基づいて信用度を評価し、AIによる審査だけで判断を下しているのだ。融資申請で未だに何枚もの書類にサインして実印を捺さねばならない上、審査に何日もかかる日本の銀行とは月とスッポンである。
※SAPIO2018年9・10月号