27年ぶりに織田裕二(50歳)とドラマで共演する女優・鈴木保奈美(52歳)。4日に行われた新月9ドラマ『SUIT/スーツ』(フジテレビ系)の発表会見では、久々の2ショットを見せ、大きな注目を集めた。今、保奈美のように、50代の女優が脚光を浴びている。トレンディ女優として、平成初期をリードした彼女たちが、再び求められるのはなぜか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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先日、『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)が関東地区で再放送され、話題を集めました。1991年1~3月に放送された作品であり、7度目の再放送であることを踏まえると、異例の番組編成と言っていいでしょう。
ただ、これは8日スタートの新月9ドラマ『SUIT/スーツ』のプロモーションが目的であり、同作で鈴木保奈美さんと織田裕二さんは27年ぶりに共演します。
鈴木保奈美さんはさらに7日スタートの『主婦カツ!』(NHK BSプレミアム)でも主演。夫が突然会社を辞めたため、主婦歴20年・48歳にして就職活動に挑むヒロインを演じています。
少しさかのぼれば、保奈美さんは今年3月まで放送された朝ドラ『わろてんか』(NHK)でも主人公の母親役を演じていました。
なぜ今、鈴木保奈美さんが立て続けに起用されているのでしょうか? その理由をひも解いていくと、保奈美さんの強みとともに、50代女優をめぐる状況の変化が見えてきました。
◆「40~50代主婦の同志」として元気を与える
保奈美さんは、『主婦カツ!』の予告動画で、「これでも私、アラフィフですよ」「主婦は一分一秒でも惜しいくらい忙しいの」「主婦をなめないでくださいね」というセリフを言っていました。
平成初期に「ラブストーリーの女王」だった保奈美さんが、平成最後の年に「ど真ん中の主婦」を演じることで話題性は抜群。美しさを保ちつつ、20数年前に演じていた役とのギャップが歳月の流れを感じさせるとともに、コメディとしての笑いを誘っています。
一方、『SUIT/スーツ』で保奈美さんが演じているのは、弁護士事務所の所長。こちらの予告動画では、所属弁護士の甲斐(織田裕二)に向かって「私はあなたと心中するつもりはないから」「興味あるなあ。甲斐の隠し事」と語りかけるなど、ファッション誌から飛び出したようなオシャレな服装でさっそうと仕事をこなすキャリアウーマンの役です。
この夏で保奈美さんは52歳になりましたが、プライベートでは3人の娘を育てる主婦。約12年もの長い間、専業主婦に徹して女優業を休んでいた堅実なイメージもあり、同世代からの支持は厚いのです。
なかでも主婦層にとっての保奈美さんは、「自分たちと同じ時代を生き、同じ家事をしてきた」という同志のような存在。女優復帰して第一線で活躍する姿に元気をもらい、応援したくなるのではないでしょうか。
そんな40~50代の女性は、現在テレビ局が視聴率獲得のために重視している視聴者層。世代的な知名度や共感度が高い保奈美さんは、「録画ではなくリアルタイム視聴してもらう」ためには打ってつけの存在なのです。
◆高齢化社会のヒロインでありシンボルに