〈長年不法占有している被告の行状を勘案すれば、明け渡しが期待できないのは明らかであるため、本件訴訟に及んだ〉
9月20日に東京地裁で第1回弁論が開かれた「建物明渡請求事件」の訴状で名指しされた〈被告〉とは、歌手の酒井法子(47)だ。
2009年に覚せい剤取締法違反で逮捕された酒井は、2012年に芸能界に復帰。今では国内でのディナーショーや中国を中心にライブ活動を行なうなどし、表舞台に着実に戻りつつある。
その酒井を訴えたのは都内の建設業者であるX工業。同社会長だったT氏(2012年死去)は酒井の継母の40年来の友人だった。2009年の事件当時、逃走中の酒井に身を隠す場所を提供し、釈放後もマスコミ対応などをサポートしてきた人物だ。
酒井がX工業に訴えられていることは既に報じられているが、閲覧解禁となった裁判資料から、その内容が初めて明らかとなった。
裁判資料によれば、2010年4月から酒井は、X工業が所有し、倉庫や作業員用仮宿舎として使用するビルの2フロアを自宅スペースとして利用していた。訴訟は“大家”であるX工業が酒井に退去を求めたものだ。
X工業は酒井に居住スペースを〈貸したことは一度もない〉とし、〈建物の明け渡しを請求〉。同社は経営改善策として、同ビルの売却を計画しているという。酒井の知人はこう話す。
「酒井さんは、突然“出ていけ”といわれ、ショックを受けています。X工業の主張は不当。弁護士も『居住に関してこちらに法的な瑕疵は何もない』と太鼓判を押しているそうです」