「靖国神社の運営方針を決める最高決定機関である総代には大物財界人などが名を連ね、それだけ今回の発言の重さをわかっていたはずです。靖国神社にとっては、目前に控える秋季例大祭(10月17~20日)に天皇からの勅使をお迎えすることが最重要で、万が一それがなくなることだけは避けたいという総代の判断が、異例のスピード退任に繋がったのではないか」
来年、靖国神社創立150年と天皇の代替わりが重なる節目を前に、小堀宮司は今上天皇の参拝を実現させるために、宮内庁への働きかけを行なっていた最中だったという。
「もし、御在位中に一度も親拝(天皇が参拝すること)なさらなかったら、今の皇太子さんが新帝に就かれて参拝されるか?」
そうも語っていた小堀宮司だが、自らの発言により天皇の参拝がますます遠のき、靖国神社が創立以来最大の危機を迎えてしまったのは、皮肉としか言いようがない。
※週刊ポスト2018年10月26日号