国内

豊洲とヤクザ 流通アワビの45%が密漁品という魚市場の暗部

開場したばかりだが…(共同通信社)

 豊洲市場の開場はさまざまな形で報じられたが、この新市場が、築地から続く“暗部”を抱えたままであることを触れようとする者は少ない。市場最大のタブーに、新著『サカナとヤクザ』が話題のライター、鈴木智彦氏が、潜入取材で切り込んだ。

 * * *
 築地市場の後を引き継ぐ豊洲市場は、最新鋭の設備を誇る。もはや商品である魚が雨風に晒されることもなく、カモメの糞が落下することも、ネズミに囓られることもない。

 しかし、市場は決して浄化できない“汚染”がこびり付いている。密漁品だ。全国各地の港からヨコモノ(密漁品)が運ばれ、正規の品と混じり合い、小売店を通して消費者の食卓に運ばれる。こうした密漁品は、ほぼ間違いなく暴力団のシノギであるため、消費者は否応なくヤクザと共犯関係になる。最新鋭の豊洲市場はそれをつなぐ媒介である。

 実際、市場を管理する東京都中央卸売市場総務課は苦し紛れに言う。

「衛生面での抜き打ち検査などを実施していますが、扱われている水産物が密漁品かどうかの検査は特定も難しく、行なっておりません。現状、卸会社や仲卸会社との信頼関係に基づいているということです」

 つまり密漁品の混入はチェックできず、野放しということである。資源の枯渇や環境破壊の原因とされ、その根絶が叫ばれるIUU(Illegal, Unreported and Unregulated=違法、無報告、無規制)漁業は日本の宿痾だ。

関連記事

トピックス

過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン