今週末は3歳クラシック最終戦の菊花賞だ。不良馬場で行なわれた昨年は1番人気のキセキが勝ったが、2、3着は人気薄が続き、この組み合わせによるワイドは1万2360円もついた。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、複勝とワイドの妙味について考えた。
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複勝は狙った馬が3着までに入れば的中なので「とにかく当てたい」という初心者向きと思われるが、ベテランの中にも熱烈な「複勝ファン」がいる。高配当の複勝を当てるためには、新聞の印に頼るだけではなく、パドックや返し馬でビビビッとくる「オッズの割によく見える馬」を探し出さなければ実現しないからだ。
つまり、ある程度馬を見ることができる(と思っている?)人向きの馬券だともいえる。どうしても気になった時に複勝をほんの少し買っておく、といった具合。問われるのは、自分の“馬を見る目”。オッズを見たら100倍を超えていたので買うのをやめたら3着に来た、というときの悔しさ情けなさは尋常ではない。いくら「返し馬でいいと思ったんだよ」といったって、馬券を買ってなければただの空騒ぎ。自分を信じることができなかった不甲斐なさを噛みしめるしかないのだ。
単勝主義の人がリスクヘッジとして購入するケースも多い。「単複で勝負」というのは、投資額も嵩まないし、人気薄を当てた時はそれなりの達成感がある。払戻額が低いのはいたしかたないが、複勝転がしなどで楽しむこともできる。
ちなみに複勝払戻の最高額は1万6110円。3歳未勝利戦で16頭立て16番人気馬が3着に食い込んだ時のもので、この馬の単勝オッズは370倍ほどだった。