樹木希林さん(享年75)は亡くなる直前まで、自殺する子供たちを心配していた。「子供の自殺が最も多い」といわれる9月1日を前に、震える文字で、
《どうかな今年は》
《あまりに勿体ない生命》
というメモを遺していた。
「樹木さんは何年も前から、不登校で自殺してしまう子や悩んでいる子にメッセージを送り続け、常に気にかけていました。このメモも、ただ子供たちを心配して書き綴ったものです。理路整然とした文章ではありませんが、この頃の樹木さんは全身チューブにつながれていて、息も絶え絶え。気力を振り絞って書いたものだと思います。9月1日当日には“どうか死なないで”とつぶやき、涙を流していたそうです」(芸能関係者)
16才で自殺したご当地アイドル、パワハラが原因で命を絶った17才の男子バレーボール部員…最近も自殺のニュースは後を絶たない。そんな中、10月16日に松本人志(55才)がツイッターに投稿した。
《自殺する子供をひとりでも減らすため【死んだら負け】をオレは言い続けるよ。。。》
自らが出演する番組でも、
「ぼくはやっぱり死んだら負けやということをもっと、みんなが言わないと(いけないと思う)。死んだらみんなかばってくれるっていう風潮がすごく嫌なんですよ」
と持論を展開。よく言ってくれた、冷たすぎる、どうしたら自殺を止められるのか──論争に発展した。そんな中、注目を浴びているのが樹木さんの言葉だ。
《私みたいに歳をとれば、ガンとか脳卒中とか、死ぬ理由はいっぱいあるから。無理して、いま死ななくていいじゃない。だからさ、それまでずっと居てよ、フラフラとさ》
これは2015年8月22日、山口県で行われた「登校拒否・不登校を考える全国合宿」で樹木さんが講演した際の発言だった。樹木さんにインタビューした『不登校新聞』編集長の石井志昴さんが話す。
「映画『神宮希林』のなかで、樹木さんが夫・内田裕也さん(78才)について“ああいう御しがたい存在は自分を映す鏡になる”とお話しされていました。“御しがたい”というのは“思うように手に負えない”という意味。これを聞いて、私は葛藤を抱える不登校の人にも通じるところがあると思った。手紙を書いてオファーしたところ、ご本人から“いつ死ぬかわからないから、明後日にでもどう?”とお電話があり、急きょインタビューさせていただきました。そのご縁で山口のイベントが開かれました」