ユーチューバーのおふざけにサイバー警察が介入
4400万人ものフォロワーを擁する有名な21歳の中国人女性が、中国の国歌である「義勇軍進行曲」の冒頭の数小節を両手を指揮者のように振り上げたり、回したりして、BGMを流しながら、軽妙で声を張り上げてふざけているように歌った。これにより当局の逆鱗に触れ、ユーチューブのチャンネルは閉鎖され、彼女自身5日間も身柄を拘束されていたことが分かった。「中国国歌法」に基づく処分という。米政府系報道機関「ラジオフリーアジア(RFA)」が報じた。
ネット上では、「ちょっとおふざけが過ぎたね」や「受けを狙って、悪乗りしたんだろうけれども、手痛いしっぺ返しを受けたよね」と彼女を批判する書き込みもある一方、「少しふざけて国歌を歌っただけで、5日も拘束するなんて、やり過ぎだ。ひどい恐怖政治だ」との当局批判も多い。
この人気女性は上海在住で、本名、楊凱莉さん、芸名は莉歌(リコ)。ライブで自分の生活を映像で流すというライブストリーミングで人気を博している。日本の歌手で、ファッションモデルの「きゃりーぱみゅぱみゅ」に似ているキャラクターの持ち主だ。
そのリコは10月7日のライブ映像で、高い音程で、楽しそうに、両手を振って、「チライ、ブユアンイヌーリダレンメン(「立ちあがれ、奴隷になりたくない人たちよ」という意味)」と国歌を最初から数小節歌ったが、見方によってはふざけているとも思えるような歌い方だった。
このため、ネット上では「国家を侮辱している」などとの書き込みが多くみられるようになった。これを受けて、ネットをチェックしているサイバー警察が介入し、リコのライブ放送のアカウントは突然凍結されてしまった。