天皇賞(秋)は強さに加えてスピードも要求される好レースだ。GI馬が数多く出走する今年のレースについて、競馬歴40年のライター・東田和美氏が期待を寄せる。
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平成元年の天皇賞は、春イナリワン、秋スーパークリークと、ともに武豊の騎乗馬が勝った。今年通算4000勝を達成した“競馬界の顔”が史上最年少の19歳11か月で通算200勝を挙げた年だ。
ダービーを勝つような馬は、古馬になってから中距離路線での活躍が望まれる。一流中距離馬の秋の王道といえば天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念。
なかでも東京2000メートルで行なわれる天皇賞(秋)は、強さに加えてスピードも要求される好レースだ。平成に入ってからここを勝ったダービー馬は、スペシャルウィーク、メイショウサムソン、ウオッカ、エイシンフラッシュの4頭のみ。そもそも天皇賞(秋)に出走したダービー馬も11頭だけと意外に少ない。ディープインパクトやオルフェーヴルなどが凱旋門賞を目指して渡欧したこともあるが、けっして簡単なことではないということだ。
一方、勝ち馬の半数以上はダービーに出走しており、やはり3歳クラシック戦線で活躍した馬が強さを発揮。オークス馬も2頭勝っている。