戸田恵梨香(30才)主演、その恋人役をムロツヨシ(42才)が演じるドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)が好調だ。平均視聴率は第1話10.4%、第2話10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2桁台をキープしている。
パナソニックリフォームのCMでは、石田ゆり子(49才)の夫役となったムロ。開設された“夫婦SNS”で日常生活を発信し、「本当の夫婦のようだ」と評判になった。ほかにも、9月から放送されているアサヒグループ食品『MINTIA W&C』の新CMでは、患者役として看護師役の松岡茉優(23才)と共演している。ムロはなぜ美女の相手役に選ばれるのか――。
上智大学文学部教授(メディア文化論)の碓井広義さんが分析する。
「美女と野獣とまではいきませんが、二枚目ではないからこそ、美女が引き立つという理由もあるでしょう。ですが、『大恋愛』を見ていても、ムロさんは戸田さんの演技をしっかりと受け止めているし、ムロさんだからこそ単純な“格差恋愛モノ”にとどまらない作品になっていると言えます」
ネットでも「ムロさんカッコイイ!」という声が多く投稿された。視聴者がこれまでコミカルな役どころが多かったムロの新たな魅力に引き込まれているのがわかる。
「俳優として分類するなら、ムロさんは個性派俳優にジャンルわけされていると思いますが、私はどこにも属さない“ムロツヨシブランド”を確立している気がします。黙っていても笑っていても、何を考えているかわからない顔立ちも含めて、ムロさんは何か起こしそうな雰囲気を持っているので、見る側としては心がざわめきます。相手役の女優にしてみても、自身のプラスアルファを出さないとムロさんの個性に対抗できないから、いつもと違う面が見せられるのだと思います」(碓井さん、以下「」内同)
『大恋愛』は、若年性アルツハイマーに冒された女医(戸田)と、彼女を支え続ける元小説家(ムロ)の王道ラブストーリー。ムロの役柄は、親に捨てられ、児童養護施設で育ったフリーターだ。
「元小説家の役は、いわゆるイケメン俳優でも成立します。でも、あの詩的な言葉を普通の二枚目俳優さんがやっていたら、嘘くさく見えてしまう。ムロさんだから、複雑な過去を背負うちょっと変わった男の役を自然に演じられている。しかも難病を抱えたヒロインの恋愛ドラマなんて、下手をしたら陳腐化しそうな題材を、“ムロツヨシブランド”が入ることによって新鮮に感じさせています」
ムロはコメディアン的なキャラもあることから、美人と絡んでもやっかみを受けないメリットもあると碓井さんは指摘する。