医療界ではかつて、免疫療法への懐疑的な意見も多かったが、その常識は変わりつつある。これまで免疫療法と呼ばれる治療は、免疫細胞のはたらきを増強する“アクセルを踏む”やり方が主流だった。それとはまったく違う“ブレーキを外す”というアプローチだったことも、本庶氏の研究が画期的とされた理由だった。
現在、日本国内で承認されている免疫チェックポイント阻害薬は6種類。オプジーボと同じ「PD-1阻害薬」には、「キイトルーダ」という薬が分類されている。こうしたがん免疫治療薬は進行性や転移性などの末期がん、難治性がんへの劇的な治療効果が確認されている。
※週刊ポスト2018年11月9日号