大手住宅メーカーの積水ハウスが土地売買をめぐって所有者を装った「地面師」に55億円を騙し取られた事件で、主犯格とされる自称コンサルタントのカミンスカス(旧姓・小山)操容疑者(58)はフィリピンに“逃亡”している(10月25日現在)。
その行方を追うのは、逮捕直前に高飛びを許した警察だけではなかった。「アイツだけは絶対に許さない。居場所がわかったら教えてほしい」──そう訴えるのは、関東圏の広域暴力団の現役組長だ。
10月16日に警視庁捜査二課が偽造有印私文書行使などで地面師グループ8人を逮捕したが、その直前にこの組長は警察の聴取を受けていたという。
「この事件で小山がレンタルオフィスを借りていたのだが、借りる金がないというから俺が知人の社長に頼んで立て替えてもらっていたんだ。その時の600万円を返すのに小山が俺の口座に振り込んでいたから、俺のところに(グループ8人の)逮捕の10日くらい前に警視庁から捜査員が来たんだよ。
散々、『(事件と)関係ないのか?』と聞かれたけど、たったの600万円しか振り込まれていないのにそれはないだろうって。小山に連絡がつかないと話すと、『それはもうこっちが押さえているんで』と言っていた。結局、警視庁も小山に逃げられているんだから何やってんだかな」
組長によると、10年ほど前に、知人に頼まれて手形の回収に行ったのが小山との出会いだったという。