イタリアの名門サッカーチーム「ACミラン」を買収し、一時オーナーの座に就いていた中国人実業家が事業で失敗し、約7200万元(約12億2400万円)もの借金を抱えて、ACミランを手放していたことが分かった。
ACミラン買収については、サッカー好きといわれる習近平・中国国家主席も支持していたといわれるが、無理な資金調達によって破産に追い込まれた形だ。この実業家の所在は現在、分かっていない。フランス通信(AFP)が報じた。
この中国人実業家は李勇鴻(リ・ヨンホン)氏(49)で、李氏はロッソネーリ・スポーツ・インヴェストメントを創設。昨年4月、元イタリア首相でACミランのオーナーだったシルヴィオ・ベルルスコーニ氏からACミランの株式を買収し、オーナーの座に収まった。
李氏はこの買収資金を米ヘッジファンドのエリオット・マネージメントから調達。その額は3億ユーロ(約384億円)以上で、その利子は最大24%だと伝えられていた。ところが、李氏は返済期限の昨年10月までに借金を返すことができなかったため、ACミランの所有権はエリオット・マネージメントに移譲されてしまった。
さらに、中国内でも、李氏は裁判で、湖北省の投資会社から借り入れた6000万元と滞納違約金1200万元の計7200万元の返済を求められているという。
しかし、李氏の消息は現在でも途絶えたままだ。香港メディアの報道によると、李氏は脱税や汚職などの容疑で、当局に身柄を拘束され、取り調べを受けているという。